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2年前にリリースした「Graffity」を振り返り、Minecraft Earthを考察してみた

Minecraft  Earthがリリース目前となり、市場からかなり期待されています。Minecraft Earthは、弊社が2年前にリリースした空間に落書きを残せるアプリ「Graffity」と非常に近いものだと思ってます。

Graffityで仮説検証したことを振り返り、Minecraft Earthがどう良くなったのかを考察していきたいと思います。

アプリ「Graffity」で仮説検証したこと

アプリ「Graffity」で実現したかったことは以下になります。

・落書きやテキストの情報や3Dモデルをスマホで作り、その場所に保存し共有する
・さらに、マルチプレイでみんなで同時に作っていける
・場所に保存・共有されたコンテンツをみにいき、さらに付け加えることができる

しかし、半年間ほど試行錯誤しましたが、実現には至りませんでした。なぜ実現できなかったかをまとめていきます。

1. 正確に場所に保存できる技術を作れなかった

1つ目が技術的な課題です。

正確に場所に保存する技術が2017年12月にはありませんでした。当時弊社でチャレンジしてたのは、画像マッチングでその場所に保存するということです。ZIPの「チューモーク」に取り上げていただいた際の動画です。

動画ではある程度成立していますが、精度・場所を認知するレスポンス速度が十分ではありませんでした。

ポイントはユーザーが待て、不満にならない精度・速度を実現するところにあります。正直こちらが本当に許容できるものなのかは、コンテンツ次第です。

2. 場所に保存されたコンテンツをわざわざ見に行かない

2つ目は、ユーザーのモチベーションです。スマホAR体験には強い動機がいることがわかりました。友達が場所に保存した、落書き、テキスト、3Dモデルをわざわざ見に行かないからです。

理由はシンプルで、スマホARで作るコンテンツがそこまでリッチじゃないことにありました。さらにリッチにつくるというところのモチベーション設計ができてませんでした。

まとめると学んだことは以下になります。

1 リッチなコンテンツでもユーザの許容範囲になるような、場所保存の精度と速度を実現しなければならない。
2. リッチなコンテンツを作らなければならなく、スマホインターフェイスで簡単にリッチなものを作ることができるようにすること
3. リッチなコンテンツを作るモチベーションを設計すること 

MineCraft Earthが実現していること

1. 場所共有をクロスプラットフォームで実現している。

2018年末に登場した、ARKit2のWorld TrackingのSDKの機能や、ARCoreベースでリリースされたCloud AnchorのSDK機能、MicrosoftがリリースしたAzure Spatial Anchorsを利用すると、簡単に誰でもその場所に保存することができるようになりました。さらにクロスプラットフォームで実現できるわけです。

上記のSDKでも精度とレスポンス速度が満足するところまでは正直行っておりませんが、この機能がリリースされたことで、場所への保存・共有は実現できるようになったと思います。

MineCraft Earthが利用しているのは、Azure Spatial Anchorsです。ARKit2のWorld Trackingはクロスプラットフォームではなく、iOSのみなのでユーザーフォーカスに考えると利用は困難です。Cloud Anchorはクロスプラットフォームで利用可能ですが、特に速度が不十分だなと感じています。

Azure Spatial Anchorsは精度・速度ともに良いものになっていると思っております。

2. ユーザーが作るインセンティブが世界観で担保されている

技術の課題はクリアしました。。しかし、Graffityの学びであるユーザーが見たくなる「リッチなコンテンツ」を作らなければいけません。

MineCraft Earthでは、そのモチベーションが世界観で設計されていると思います。

MojangはMinecon Earthにて『Minecraft』の月間アクティブプレイヤーがこの夏、9100万人に達したことを発表した。
参考までに、『Fortnite』は8月に月間アクティブプレイヤー数が過去最高の7830万人という驚くべき数字を叩き出しているが、それを軽々と超えるプレイヤー数となっている(月間アクティブプレイヤー数とは、1か月に1回以上ログインするプレイヤー数のことを指す)。

すべてのプラットフォームでの総販売本数は1億5千万本を超えている。単体でのゲームの売り上げは『テトリス』についでビデオゲーム史上第2位、シリーズ合算の販売数で見ても第8位というモンスタータイトルだ。

参照 : https://news.denfaminicogamer.jp/news/181002d 

すでに多くのユーザーが世界観を理解し、そしてコンテンツをリッチに作るモチベーションが設計されているのです。

さらにそれを実現するためのUI/UXがしっかりとされています。このインターフェイスは素晴らしいですね。動画はこちらから。

3. マルチプレイで作る楽しさを強化

さらに、MineCraft Earthはマルチプレイを搭載。弊社のARシューティングバトル「ペチャバト」のように、リアルタイムで空間を共有したゲームを提供しています。

この機能によりさらに作る楽しさが倍増し、リッチなものが作れるのではないかと考えております。

4. 位置ゲームとも相性がいいゲームサイクル

MineCraftは位置ゲームの要素もあります。作るのに必要な素材を歩き回って取得するのです。PokemonGoのような「集める」というモチベーションは位置ゲームと相性がいいと思っております。(逆に、バトルする系は位置ゲームと相性が悪いと思います。)

さらに、共有部分。現在の情報では、場所に作品を保存する機能はどうやらなさそうに思えます。この部分はまだなのでしょう。

しかし、友達と一緒にいるときに共有する機能があるみたいです。友達に作ったものを見てもらい自慢したり、褒めてもらえたりするのがコアなモチベーションなのでしょう。

AR体験を普及させる鍵はゲーミフィケーション

MineCraftを考察すると4つの良い点がありました。

1. 場所共有をクロスプラットフォームで実現している。
2. ユーザーが作るインセンティブが世界観で担保されている
3. マルチプレイで作る楽しさを強化
4. 位置ゲームとも相性がいいゲームサイクル

技術はGAFAによってカバーされており、リッチコンテンツはゲーミフィケーションでカバーされている。というのが結論というところになります。

まだAR体験は黎明期であり、ユーザーのリテラシーが低いです。その場合は、やはりゲーミフィケーションを通した強い動機が必要になるのだと思います。

弊社が2018年12月にリリースした、「ペチャバト」はまさにその仮説を試したものになります。

バトル数はリリース1ヶ月で10万バトルを突破し、レビューは4.5以上を達成しました。まさにARがゲーミフィケーションを通して使われる事例を作ったのではないかと思います。

MineCraft Earthは、間違いなくARゲームの成功事例になると思います。さらに従来とは違い、「ARマルチプレイ」を実現しているので、弊社にとっても非常に追い風な状態になってくるなと思います。

2020年ではARが使えるスマホが70%を越えると予想されており、いよいよ市場が盛り上がってきます。このARエンタメ体験でグローバルNo1となれるような新しいコンテンツを作っていきたいと思います!


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