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UWBが変えるARバトルの未来

こんにちは、Graffityの森本です。普段私たちは「ARバトル」と呼んでいるARシューティングゲームを開発しています。今回は、Ultra Wide Band(
超広帯域無線通信、以下「UWB」)について書きたいと思います。

UWBとは?

UWBとは短形波の電波を持つ無線システムで、Bluetoothに近いものです。GIZMODEの情報によると、位置検出の精度の高さ、電波妨害への強さ、消費電力の少なさの3つがBluetoothとの違いとして挙げられています。UWB自体は10年前からある通信技術ですが、Bluetoothよりもコストが高くチップのサイズも大きいことから、これまでスマホでは利用されていませんでした。しかし、技術の進歩によって身近なデバイスであるiPhone 11にU1チップが搭載されたことをきっかけに、多くの人が品質の高いUWBを利用できるようになりました。

UWBによって、私達の開発するARバトルがどう変化するか考えていきたいと思います。

お互いの位置推定の精度が上がる

まずは、互いの位置推定の精度、つまりUWBを搭載しているデバイス同士の距離の推定精度が大幅に上がることが期待されます。
Bluetoothの場合は端末間の通信時間から距離を算出しますが、UWBは電波妨害に強いため、精度向上が見込めます。

具体的に言うと、いまのBluetoothデバイスでは空間内にある物体の位置を誤差約1mで特定できますが、UWBの場合、その範囲を誤差30cmまで狭めることが可能です。

例えば、iPhone 11同士で「AirDrop」を行う際に、共有したい相手のiPhoneに自分のiPhoneを向けると、複数の人がいる空間でも優先的に相手のiPhoneを認識します。

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Image: ©Apple, Inc.

ARバトルでは、デバイスを常に相手に向け、互いの相対的な位置を認識しながらプレイします。UWBを使えば、これまでに発生していた「バトル中に位置がずれてしまう」という問題なくなり、より楽しいARバトルになることが期待できます。

外部デバイスとの連携

つぎに、外部デバイスと連携することで、機能の展開性が高まります。
例えばTechCrunchのリーク情報によると、Appleは紛失防止タグ「AirTag」を開発していることがわかっています。「AirTag」にはUWBが搭載され、iPhoneと連携することで忘れ物を防止・発見できるようです。

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Image : ©MacRumors.com, LLC.

実際にAppleは、UWBを導入しているさまざまなデバイスが屋内でも高精度で検知できることから、UWBを「リビングルームのGPS」と表現しており、「AirTag」といったユースケースの開発を進めていることが推測できます。

UWBの外部デバイス連携によって、ARバトルでは以下のような発展が見込めます。

1つ目は、フィールド作りです。ビーコンのようなデバイスを部屋に置いたり、外でプレイするときは中央に置いたりすることで、そのデバイスを起点とした相対距離がわかり、位置精度を落とすことなく複数人でのARバトルを行えます。もちろんiPhone同士でも実現可能ですが、ビーコンを置く場合はその場所を起点にできるため、フィールドを定義しやすくなると考えます。

2つ目は、ウェアラブルデバイスとの連携です。UWBが搭載されたApple Watchやバンドなどが発売されれば、そのウェアラブルデバイスとスマホの距離がさらに正確にわかります。

例えば、頭にヘッドマウントディスプレイ、腕にアームセンサーを装着して技を放つARスポーツ「HADO」の場合、現在は腕にアームセンサーとしてiPod Touchを身につけプレイをしていますが、UWBを利用すればスマホと腕の距離を正確につかめるため、「腕から攻撃を出した」という感覚の向上が見込めます。

ARバトルにおいては、腕だけでなく足や銃型デバイスとも連携することができます。これによって、蹴り技や空中でのアクション、剣戟(斬撃)もより感覚的にできるようになります。さらに、ARグラスが普及すればウェアラブルデバイスからマトや弾といったUIも表示できるので、「よりリアルな」ARバトル体験が可能になるでしょう。

最後に

UWBを利用することで、ARバトルがよりリアルに、面白くなっていく未来を作ることができると感じています。もちろん、「UWBを搭載しているデバイス同士の距離しかわからない」といった課題もまだまだ存在します。UWBがBluetoothのように普及するにはARグラス同様に時間がかかると思いますが、AR企業として引き続き動向をキャッチアップしていきたいと思います。

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